ある夜のラーメン

 日が沈み
寒さが増した
一月の夜

自転車に乗って
口から漏れる白い息を
置き去りにしながら
行きつけのラーメン屋を目指す

近くまで来たのに
見えるはずの電光掲示板が
暗いまま

店の戸に
一枚の張り紙
「経営不振の為、休業いたします」

瞬間
台湾ラーメン以上の衝撃が
全身を駆け巡った

帰り道
立ち寄ったコンビニで カップラーメンを買った

あの味はもう戻らないのに